皆様、こんにちは。
『UN:LOGICAL』プロデューサー、
ティズクリエイションの島です。
気付けば9月も後半に差し掛かり戦慄しています。
コラムの冒頭では毎回、時の流れに怯えている。
本日は!!
『Le Mirage Mystique』ことミラミスの発売日です!!
島は個人的にプロローグムービーが大好きで
何度も繰り返し見ています。
不穏な気配にワクワクが止まらない。
体験版も配信中なので、
まだの方もぜひチェックしてくださいね!
そして、なんと同日である今日……
\9月17日は、藍の誕生日です!/

今回も花邑まいさんにイラストを
描きおろしていただきました……!!
おとめ座の男。
19歳の現役大学生で学業や友人付き合いもありつつ
バイトに精を出して家のこともしっかりこなし、
さらにサウンドクリエイターとしての仕事にも
真剣に取り組んでいる彼。
けっこうなハードワークです。
本人はあまり大変さを表に出しませんし、
自分でやると定めたことを苦だとは思わないタイプ。
それでも当たり前に日々疲労や悩みもあるわけで。
そんななか、相棒である彼女と喋っているときが
彼にとっていちばんリラックスできる時間です。
大切な存在と過ごす誕生日が、
彼にとってまたひとつ特別な時間になりますように。
公式Xで公開している録りおろしボイス動画は
【2026年9月19日まで】の期間限定。お見逃しなく!
▼さらに、AGFの情報も続々!


描きおろしイラストを使用した『夜の仮装』テーマのグッズが出ますので、
ぜひチェックお願いします!
https://www.broccoli.co.jp/event_sp/agf/?booth=licobits#goods
▼さらにさらに、
公式ビジュアルファンブックも予約受付中!
こちらもカバーイラストは花邑まいさん描きおろし!
中身も見ごたえたっぷりな内容です。
グッズセットはいずれも限定商品なので、お見逃しなく!
https://www.bs-log.com/news/20260820_86304.html
▼ダウンロードコンテンツの
第1弾&第2弾も好評配信中です!
どちらも本編の後日談なので
まだの方はぜひプレイしてみてくださいませ。
第2弾のほうはキャラごとの破壊力満点CGがあります……!
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▼藍の誕生日!
さて、本日は藍の誕生日祝いとして
スペシャルなSSをお届けします♪
※このSSはゲーム本編、個別ルートのエンド後設定です。
ネタバレを含みますのでクリア後にお楽しみください。
※主人公の名前表記はデフォルト設定とさせていただきます。
:HAPPY BIRTHDAY:Ran Nagamori
永守 藍
「じゃあ、25日でスタジオの空き、
確認しとくから――」
言いながらスマホのカレンダーを開くと、
ある日付にふと視線が止まった。
(……あ、来週か)
――20歳の誕生日まで、あと1週間。
節目の歳だからといって、
べつに何かが大きく変わるわけじゃない。
少し前の自分だったら確実にそう思っていたし、
実際、あの出来事――アンロジカルにまつわる
騒動がなければ、例年と大差ない日になっただろう。
でも、今年はさすがに特別だ。
涼乃 環無
「藍? 休憩する?」
永守 藍
「ん?」
不意に声をかけられて、視線を上げる。
見慣れた顔が、不思議そうに俺を覗き込んでいた。
……見慣れている、はずなのに。
永守 藍
「や、〆切の設定どうしようか考えてただけ。
おまえの調子考えるとあまり詰め込みたくないし、
でも余裕あると迷走するしなーって」
涼乃 環無
「さすが、完璧なマネージメント」
あはは、と無邪気に笑うその表情に、
性懲りもなく愛しさが込み上げる。
いつものように向かい合わせで資料を広げ、
俺たちは新アルバムの制作に向けて
ああだこうだと意見を交わしていた。
ふたりで音を創る、当たり前で特別な時間だ。
涼乃 環無
「でも、藍にばかり負担はかけたくないし、
しんどいときは言ってね」
永守 藍
「むしろだいぶ頼ってるよ。
ここのとこ作詞と作曲は環無に任せきりだし」
涼乃 環無
「藍のファンとしては寂しい気持ちもあるけど、
最近、調子いいんだよね」
永守 藍
「昨日上がったラフもかなり良かったもんな」
涼乃 環無
「でしょ?
アイデアがどんどん湧いてくるんだ。
ラトレイアの可能性が無限大っていうか……
もっと新しいことできるぞって無敵な感じ」
永守 藍
「でも、ときどき溢れたアイデアに
溺れそうになってるけどね」
涼乃 環無
「そ、それは仰る通りです……
今の曲に集中しなきゃいけないのに
べつの曲の構想に浮気しちゃったりね……」
永守 藍
「ノッてるのはいいことなんだけどさ。
全部同時に手つけるととっちらかって、
まとまらなくなるから」
涼乃 環無
「でも、そういうときは制作の順番入れ替えたり、
シゴデキな藍がフォローしてくれるから大丈夫!」
永守 藍
「おまえ……まあ、俺がシゴデキなのは事実だけど」
慣れた軽口を叩き合って、顔を見合わせて笑う。
この時間だけは、他のどんなものも代わりにならない。
(代わりなんていらない)
どこかでずっと、渇いている感覚があった。
友達との会話も、勉強や仕事での達成感も、
家族との平穏も、好きなものに触れた高揚感も。
どれもちゃんと喜びを感じているはずなのに、
環無と一緒にいるときにだけ痛感する。
(ふたりで新しい音を創り出してるとき、
一緒に他愛ない話をしてるとき)
その瞬間だけ水を与えられたように
満たされる『何か』は、同じ次元で語れないのだと。
恋人同士になった今でも、その感覚は変わらない。
永守 藍
「やっぱり、休憩しよっか」
涼乃 環無
「? うん。あ、お菓子あるよ。
爆弾グミの新作――」
永守 藍
「ん、後で食べる。今はさ、」
恋が俺たちに与えたものがなんなのか、
まだ、わかりやすく言語化できる自信はない。
……でも、間違いなくこれまでと違う刺激もある。
永守 藍
「ぎゅってしていい?」
涼乃 環無
「……うん。しよ」
かたりと、スマホをテーブルに置く音が
やけに響いて聴こえた。
不思議と部屋の空気もほんの少し
しっとりと重くなったような気がする。
すぐには動かず正面からじっと見つめると、
環無は眉間に皺を寄せて目線を彷徨わせた。
涼乃 環無
「……恋人モードだ……」
永守 藍
「うん。だって休憩だし」
涼乃 環無
「なんか、いまだに変な感じなんだよね……
藍にこんなにときめくなんて……」
永守 藍
「……出逢ってから付き合うようになるまで、
一度もときめいたことなかったんだっけ?」
涼乃 環無
「そりゃ『うちの相棒カッコイイ……!』
っていうトキメキは何度もあったよ?
『はーもう、結婚して』みたいな」
永守 藍
「まあ、実際そんな感じの
夫婦漫才ノリだったもんな」
涼乃 環無
「でも、今は……」
うろついていた視線が俺の目をとらえて、
少し困ったように見つめ返してきた。
次いで細い指先が、俺の服の裾をちいさく掴む。
……今度はこっちが眉を顰める番だった。
その表情と仕草はマジで、困るくらい可愛い。
涼乃 環無
「今は、……ちょっと、苦しいときもあるんだ。
好きで怖いっていうか……」
――きっと、同じ気持ちだ。
恋人同士になる前はもっとシンプルだった。
俺にとっては特別でいちばんだと決まっていて、
複雑な理由なんていらなかったから。
でも、この苦しさや、込み上げる欲のようなもの、
愛しさの底が見えない怖さ、泣きたくなる気持ち。
あまりに混沌としていて、これを恋と呼ぶなら――
永守 藍
「俺もそうだよ。
でも、このワケわかんなくなる感覚もわりと好き。
頭ん中ぐちゃぐちゃで……おまえでいっぱいになる感じ」
涼乃 環無
「! そ、そう! 私もそれ、今言おうと思ったの」
誤魔化しではなく本心からだと、
その表情が物語っていた。
同じ気持ちで嬉しい、と。
そう言って笑った顔が、前のめりになってまた近づく。
涼乃 環無
「藍とだから、この苦しいのも一緒に
分け合えるんだなって思うから……幸せだよ」
――これを恋と呼ぶなら。
勇気を出して始めてみて本当によかったと、
今は心から想う。
(他の誰にも見せたくない)
俺だから見せてくれる顔なんだって思いたい。
……違う誰かに向けられる未来だって、
あったかもしれないから。
永守 藍
「……俺も」
『好きだ』も『幸せ』も、言葉にしなかった。
今は言葉よりよっぽど伝わると思えたから、
ゆっくりと目の前の身体を抱きしめて、目を瞑る。
永守 藍
「3曲目の歌詞さ」
涼乃 環無
「ん? アルバムの話?」
永守 藍
「うん。ちょっと〆切厳しいって言ってたやつ。
1日延ばせるから」
涼乃 環無
「え!? いいの!?
……甘やかすとギリギリまで粘っちゃうよ?」
永守 藍
「知ってる。でも甘やかすのも俺の仕事だし」
涼乃 環無
「ふふ、じゃあ甘えちゃおう。
休憩って言っといて仕事のこと考えちゃうの、
藍らしいよね」
お互いに理解しあっていても、
知らないことは当然多い。
今だってそう。
俺がどれだけの愛しさを持て余して、
仕事の話で誤魔化そうとしたかなんて
全部が伝わっているとは思わない。
(……あと1週間)
恋人になって初めて一緒に過ごす誕生日。
半年以上前から、盛大にお祝いするんだと
環無が張り切って準備をしていたのも知っている。
意識しないようにしているけど、
きっと俺と同じようにソワソワしてるんだろう。
涼乃 環無
「ねえ、藍」
永守 藍
「ん?」
涼乃 環無
「――誕生日、楽しみだね」
世界でいちばん愛しい声が、ちいさく囁いた。
そこまで早く答え合わせが来ると思っていなくて、
わずかに目を瞬いてから、ふっと微笑む。
永守 藍
「うん、楽しみ」
――言葉とは裏腹に、
今はただ、これだけで満たされる。
抱きしめる腕に力を込めて、温もりを確かめた。
