
- 宗像 戒
- 「……怖くない?」
ちいさく問われて、ほんの少しだけ惑う。
でも、すぐに答えは出せた。
- 主人公
- (怖いより……もっと近づきたい)
私が頷いたと同時に、
抱きしめていた手を解いた彼が、上着を脱いだ。
首筋から耳元へ、触れられたことのない場所を
戒くんの指先がなぞっていく。
指先から彼の愛情が伝わってくるようで、
おさまっていた鼓動が、またバクバクと暴れ始めた。
- 主人公
-
「か、戒くん。頷いといてごめん、
一瞬だけ心の準備を――」
- 宗像 戒
- 「戒」
- 主人公
- 「……?」
- 宗像 戒
- 「『戒』って、呼んで」
私を見つめる瞳は切なく揺れていて、
声色はいつもより余裕がない。














