
そして、宙に浮いたままだったわたしの手を取る。
- 主人公
- 「ワ、ワルツなんて踊ったことないです!」
- エヴァン
- 「簡単だよ。同じ動きの繰り返しだから」
そう言われても緊張で身体が強張る。
今、自分がどう動いているのかさえ
理解が追いついていない。
- エヴァン
- 「私に合わせて。1、2、3……」
近くで囁く声が聞こえるけど、わたしは
もう、それどころではない気分だった。
- 主人公
- (も、もし足を踏んじゃったら……!)
ちらちらと視線を下に向けていると、
気づいた彼が、拗ねたように言う。
- エヴァン
- 「下を向いていたら、つまらないよ?」
- エヴァン
- 「ほら、私のほうを見て。足はいいから」
- 主人公
- 「わ、わ!」
- エヴァン
- 「ふふ……。楽しいね」
すぐ近くには、屈託のない笑顔がある。
緊張が解けてきたのは、きっと、
ワルツに慣れたからではなく――
彼が、うれしそうにしているから。









